5月、オバイド市の教育行政のトップと共に小学校を見学しました。もちろん勝手に見て回ることや、写真撮影はできませんから、今回現地の方の申し入れにより見学できるこのチャンスは、教育環境を知る意味でありがたい申し入れでした。6校見学しました。
訪問した最初の小学校に着いたとき、しっかりと煉瓦で覆われた教室が一棟ありました。
これだけなのかしらと思い眺めていると、案内してくれた現地の人が横から「あれは女の子の教室だ」と言って指さすのですが、私には家畜小屋に見えたので、あえて「どれか」ともう一度訊き返しました。そしたらその家畜小屋らしきものが、女の子が勉強しているところだと言うのです。
ボロボロの布のかかった小屋は、全て女の子の教室ときいて、体から力が抜けてため息の後、声を失いました。大げさではありません。辛かったですね。でも優遇されている男の子の煉瓦で囲われた教室も、屋根なし、机なし、椅子なしでした。
実際、このような環境はアフリカでは一般的だと言われていますが、私自身、生で現実を見たのは初めてだったので、ショックで涙がでました。可哀そうという思いではなく、何年もの間このような教育環境を放っておいたことに苛立ちを感じましたが、その場で口にするのが失礼だったので、その思いを言葉にはしませんでした。
ただ女の子は、家庭に余裕がないので学校には通わず、裕福な家庭にメイドとして働くことも少なくないと聞きました。現在でも、小学校も卒業していない子供たちが多いようです。
だから読み書きができない子がいるという事です。
それで、子供に教育を受けさせたい親御さんは、高い学費を支払う私立学校に入学させています。今回、その私立の小学校の始業式の手続きの場に立ち会わせてもらいました。親御さんたちは高い学費(授業料)年間7000円弱を支払っていました。現地では高価です。もちろん全額支払えない家庭もあり、分割で支払っても私立に行かせます。ちょっと遠くにあるので、乗り合いタクシーや自家用車で送ったりしていました。
そして私立学校でも公立学校でも給食制度はありません。一般的に登校後に校内にある売店やあるいは外のお店で朝食を買うのですが、子供たちはお金がなく朝食をとることができないケースもあるそうです。