綿花畑にみるスーダンの昔

こちらは夕方5時過ぎになり、ランチ(夕食は10時前後頃がスーダンの食習慣)
の時間です。色々な所から、良い香りが漂ってきます。
さて、先日ディンデルに向かう途中に広がった綿花畑の話です。こんな広大で乾燥した荒地に、地平線のかなたまで、よくぞ綿花畑を作ったものだと感心しました。

同行の現地の友人の話をまとめてみると・・・
「イギリスの統治時代、イギリスは自国の綿利用のために、このブルーナイル地方に広大な綿花畑を作った。
ブルーナイル川(ナイル川の上流)から水を取り込んで、幅20mくらいの用水路を平行に2本、長さ数10kmを建設。
そこから各綿花畑に配水し、たくさんの人達が綿花を作り、それなりの仕事が出来ていた」
その用水路を豊かにとうとうと流れていく水に、乾燥しているカルツームから来た私は、どこかホッとしました。
自国の綿供給のためとはいえ、このような豊かな用水路を作らせ、それが今も残っているのが嬉しかった・・・
(ただ、現在は放置されているようにも見えました。繁栄の跡・・という感じです)

そういえば、思い出したことがあります。

4年前にカルツームからポートスーダン(紅海に面した港町)に行ったときのことです。
その時に出会ったスーダン人男性が、なんと、大阪の繊維メーカーとビジネスをしていると言うんです。
知識がなかった私は、その話に相当驚いたのです。その時も「今ではほとんど貿易がなくなったけど、
10数年前までは、日本にもかなり輸出していた」と言っていました。

その時、用水路で子供達が泳いでいるのが見えました。
スーダン人は奴隷にはされていなかったようですが、それでも仕事は厳しかったのではないかと想像し、
広大な綿花畑を眺めながら、昔のスーダンを垣間見た気がしました。

「イギリスの統治が終わっても、この豊かに流れる用水路がある限り、ここでは綿花が栽培できる。だけど今では国内で使う程度で、以前のような大きな貿易にはなっていない」
そう語る友人の言葉が心に残りました。

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